自己嫌悪

10/10
前へ
/1099ページ
次へ
    大丈夫?     『え?』     いや…身体     『何でです?』     何でて… 昨日あれだけ水飲まされてたやん     『あ~… 結構慣れてるんで』     え? 慣れてんの??     『はい 炊場でもこんな感じやったから』     え~? 前ん時もイジメに合ってたん?     『イジメでは無いですけどね』     いやいや これはイジメの他何物でもないで!     『いや… アホに逆らってもエスカレートするだけでしょ?   それよりいいんっすか?   アイツらに媚び売りに行かなくて』     え? ど~ゆ~意味?     『5房にほぼ同時に入って新入りにも関わらず加藤さんだけ 何か特別扱いでしょ?   あのゴリラらど~やって取り入れたんすか?』     ………     『僕の心配して話しかけてくれたんでしょ~けど   余計なお世話なんで』               何コイツ       何なんコイツ       強がりなんか 皆と普通に接してるオレへの妬みなんか…       イジメられてるのは演技ですよと言わんばかりの余裕すら見えた       それより…     この短時間の会話中 コイツずっとニヤけてた           そしてこの文と言う男   後々分かった事やけど   罪名の覚せい剤と言うのは嘘で 本当の罪名が 婦女暴行     執行猶予中の事件で 前回も同じ罪名らしい     しかも 逮捕からこっち両親は地元で生活する事も出来ず引っ越し     塀の中の息子に告げる事なく身をくらましたと言う
/1099ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14233人が本棚に入れています
本棚に追加