その女、京に入る

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月華は着替えられると、刀を抜いて適当に近くにいた奴からたたっ斬っていく。 煙が晴れると、そこには無数の死骸が散らばっていた。 斬った相手の血にまみれながら、その死骸達の中心に月華は立っていた。 「そこまでです。次は私とお手合わせを」 私の視線の先には男が一人いた。 「あんたは…あの沖田総司ね。」 誠実そうなその面持ち。 新撰組一の剣の使い手と称される彼との対峙を憑黄泉は塀の上で胡座をかいて楽しそうに見ていた。 「…いーや、やっぱりやめた。」 「な…なんでですか!?…どちらにしても貴女はこんなにも多くの仲間を殺した。ただでは帰しません!」 「嫌って言ったら嫌なの!あんたみたいなの殺したら夢見が悪いわ。それに何よりも面倒でしかない」 「私を愚弄する気ですか…」 「愚弄などしてないわ。全く物分かりの悪い人ね。私は近藤に用があるの。言っとくけど、私は攘夷志士なんかじゃないから」 「問答む「総司、そこらでやめておけ」 "豪快"という言葉が似合いそうな男が屯所の奥から出てきた。 その後ろには射抜くような瞳を持った男が続いている。
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