その女、京に入る

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そうこうしているうちに、屯所の前に着いた。 生意気にも門番達が突っかかってきた。 「あの…うち、ここの大将はんに呼ばれたんどすけど…。入らせてもらえまへんか?」 「近藤さんに?…分かった、入っていいぞ」 …拍子抜けするほど楽に入れた。 これがあの新撰組の屯所…? 何かあるのだろうか…。 お礼を言って小さな門から入らせてもらった。 ………。 「何の真似どすか?」 入った途端に隊士らに囲まれた。 「お前は攘夷志士だな。よく化けたもんだ」 話しているのは名も知らない奴。 (攘夷志士?何のことよ…) 次第に苛立ちが溜まっていく。
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