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黒猫の方は首に、親指の第一関節くらいの大きさの勾玉を三つ連ねた首飾りをかけている。
瞳は金色でどこか神秘的なものを感じる。
「…?お婆ちゃん、どうかした?」
「えっ?あっ、何でも無いんだよ。そういえばまだ名前言ってなかったね。私は薙さ。お前さんは?」
「薙さんですか。私は血桜月華です。この子は月読。因みに男の子です」
「月華ちゃんに月読くんだね。それにしてもあんた女の子なのに強いんだねぇ」
「えぇ、まあ…。あっ、私そろそろ行かなきゃ!薙さん私またここに食べに来ます」
「おや、そうかい?それなら…おにぎり持っていきな」
「いいんですか?有難うございます!それじゃあ…また会いましょう」
にっこりと笑って少女…いや月華は去っていった。
この時から月華はたまにここに立ち寄ってくれるようになった。
彼女が何のためにここ京に来たのかは私でも、まだ知らない…きっとこれからも知ることはないんだろうね。
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