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枯木と枯れた雑草とに囲まれた、その建物の前に立つ学生服の少年。
彼の足元には、兵隊が四人。そのどれもが身体中傷だらけ。刃物の傷では無く、えぐられた、喰われた跡だ。
蠅やら鼠やらが何処からともなくはい出て来て、それにたかっている。
枯れた木々の枝に留まる烏は、一列に並んで声を上げる。
その下には大量の糞。
烏の羽ばたきと鼠の声と蠅の飛び回る音。
雲が動いて月が顔を出し、少しばかり辺りを照らす。その光は何か音でも出して居るかの様。機械音の様な…
月に照らされたその建物に向かって、少年は歩き出した。
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