七色ポケット

2/2
51人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
同じ人についてった。 同じ人に憧れた。 いつも隣にいた。 いつも張り合った。 いつの間にか尊敬した。 いつの間にか好きになった。 俺よりも一つ年上で、 でもそれを感じさせなくて、 俺より先に卒業して、 それからなぜか寂しくて… ああ… 俺好きなんだ、 あいつのこと…─ そう気付いたのは 七海が隣にいなくなってからで。 いなくなって気付く想いって 本当にあるんだなぁ~なんて、 呑気に考えていた。 ライバルだったはずなんだ。 どっちが勇気先輩の後輩に ふさわしいかなんて張り合って。 嫌いだったはずなんだ。 いつも勇気先輩の隣にいる ギャーギャーうるさい七海が。 だけど七海が卒業した後、 心にぽっかりと穴が空いた。 隣にいた時に 気付いておけばって 何度もの後悔が駆け巡って…─ それから何も行動出来ずに 時間はただ過ぎてゆくだけ。 何も変われずにいる。 でもこんなの俺らしくない、 そんな気がするんだよな。 だからさ、 今日会いに行くんだ。 勇気先輩には まだまだ届かないけどさ、 七海を守るには まだまだ力不足だけどさ、 少しでも俺を 見て欲しいから… 逢ったら言うんだ。 ポケットの中から 七色のアメ玉取り出して どれがいい?って… そしたら君は笑うんだ。 一磨らしいね、って。 七海の笑顔を この七色のアメに込めて…─ END 一磨のお相手は七海です☆初めて書いたっ!七海が相手なのって新鮮っ♪ 一磨の相手は迷って大変だった(Д)ふと思いついた七海を選ばせてもらいました☆
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!