アキラ編 第一章 宇宙(そら)の風

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  同じころ、ナーランダに近づくアルギュレ3艇からそれぞれ5機、合計15機のモビロイドが一列に並んでナーランダへと直進していった。それぞれのモビロイドの背部のロケットエンジンから彗星の尾のように推進剤を出しながら、ナーランダーの宇宙船ドックへと向かっていった。出撃したモビロイドは火星大帝国軍の主力量産機ベルデドス。赤い一つ目の頭部、マッシブな体系、左肩に取り付けられたショルダーアーマー、右肩についている楕円系型のシールド、胸部に内蔵された対歩兵機銃が特徴であるベルデドスは緑色を主体としたカラーリングに塗装されているのだが、出撃したベルデドスの中には2つだけ他の機体と全く異なるカラーリングに塗装されたものがあった。ひとつは赤黒く塗装され、各部に改良を施された、デモニオ郷専用ベルデドス・フェルテと、紫色に髪を染めた女性のエースパイロットのナタリア少尉が操縦する紫色に染められたベルデドスの計2機だけであった。ナーランダまで4キロメートルのところでナタリアが僚機パイロットに通信をした。  「ひよっこども、あと、30数秒で敵の防衛部隊と衝突すると思われる。あんたたち、気合を入れて行け!」
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