アキラ編 第一章 宇宙(そら)の風

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同じころ、デモニオ卿は部下を二人率いていた。突如、4機のブレイバーが、それぞれ武装していたアサルトライフルで攻撃を仕掛けてくる。デモニオ卿とその部下二人は上下左右に回避しつつ、部下二人が装備していたショットガンで4機のブレイバーに向かって数発ぶっ放す。ショットガンの弾は広範囲に炸裂し、それぞれ4機のブレイバーに当たった。流石に爆発はしなかったが機体の各部の装甲に穴が空き、それぞれのブレイバーのコクピットから空気や破片、オイルと一緒にパイロットのものと思われる血があふれ出る。そして、それぞれのブレイバーから力が抜けた人形のようになり、漆黒の宇宙空間を漂いはじめた。そして、デモニオ卿は撃墜されたブレイバーの後方にいる地球合衆国軍の主力巡洋艦に向かって直進する。  「あの赤い機体は、間違いない。奴だ、奴が来る!全砲塔、弾幕を張れ!」 巡洋艦の艦長が恐怖で満ちた顔でそう言うと、その巡洋艦のありとあらゆる場所にある砲塔から無数の弾丸やプラズマ、ミサイルが放たれ分厚い弾幕が形成された。しかし、デモニオ卿はベルデドスをうまく駆使し、分厚い弾幕に一発も当たらずに避け、巡洋艦のブリッジの上部に止まり、ブリッジの中心に狙いを定めた。ブリッジの上に止まれば弾幕が当たらないことをデモニオ卿は知っていた。巡洋艦のオペレーターがレーダーを確認すると思わず声をあげる。  「て、敵機が真上で止まりました!」  「総員、退艦せよ!」 巡洋艦の艦長は大声でそう叫んだのもつかの間、デモニオ卿は装備していたガトリングライフルの引き金を引いた。ガトリングライフルにある6つの銃口からひとつずつ、とてつもない速さで75mm弾が射出される。巡洋艦のブッリジは粉々に吹っ飛び、ブリッジの中にいた乗員は全員叫びながら宇宙に投げ出された。乗員のほとんどは必ず帰れると思っていたようで、宇宙服を着ている者は全くいなかった。巡洋艦は動力部もダメージを受けていたために粉々になったブリッジに続き、巡洋艦全体が緑の煙を出しながら大爆発し破片が飛散した。デモニオ卿は部下とそれを見届けた後、他のブレイバーや巡洋艦のほうへと攻撃をしに出向いていった。
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