アキラ編 第一章 宇宙(そら)の風

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「そんな馬鹿な、40機のブレイバーが、たった10分で全滅するなんて」 「敵は幾人かエースがいるのかも知れんが、奴らは弾を相当浪費したのに違いない。こっちのほうが圧倒的に物量が多いし、この俺がいるからには不利じゃないよな、野郎ども」 そうホセはこれから初実戦を迎える者、敵の成果を聞いて死を恐れる者を元気づける。すると防衛に当たっていたブレイバーのセンサーに反応が出た。  「敵機およそ数十数機、第1防衛ラインより接近中、モビロイドと思われます!」 ブレイバーのパイロットの一人が声を荒げて叫ぶ。  「ご報告どうも、各機攻撃開始せよ!」 ホセ軍曹が命令すると、宙に浮いて待機していたブレイバー各機が、それぞれ装備していたアサルトライフルを両手で構えて、敵のほうへとエンジンから火を噴きながら進んでいった。  「先手を撃たせて頂きます!」 スコットがそう叫ぶと、彼の右手が握っていたグリップのトリガーを押した。たちまち、彼の乗っているブレイバーのアサルトライフルから、高速で弾丸が射出される。        「あんな遠い距離から弾を撃つ素人パイロットが、敵にいるとはなブレイバー」 スコットに攻撃されているベルデドスのパイロットがそう言った瞬間、ロックオン警告がだされずにコクピットに別方向からの弾をくらった。  「―――そんな馬鹿な。   ロックオンもせずにライフルを使う奴が敵にいんのかよ」 ベルデドスのパイロットがそう言った直後、コクピットが火に包まれ、ベルデドスが大爆発をおこした。それをみたスコットを見たスコットが我が目を疑った。  「あれを撃ったのは、もしかしてホセ軍曹でありますか?!」  「そうだが、どうかしたのか?」 普通にホセが返事をする。  「どうかしたのかって、すごいですよ軍曹。ロックオン機能を使わずに敵機を遠距離から撃ち落すなんて」 少し興奮気味にスコットが言う。  「そんな無駄口叩いてると俺のような奴に撃ち落とされるぞ」 ホセが照れくさそうに言い返す。  「すいません、軍曹」 スコットが微笑しながら言うと、ホセ率いる3機の第41モビロイド小隊はV字編隊を組み、他のベルデドスの迎撃に向かった。
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