アキラ編 第一章 宇宙(そら)の風

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ナーランダへと向かってるアルギュレのひとつ、マンガル号のメインブリッジにて、その戦艦の艦長が、彼の後ろに立つ赤黒く光る鎧のような軍服を着込み、さらに密閉したヘルメットを被った大男のサイボーグに半信半疑でこう問う。    「本当にあの何の変哲も無い、民間のSTCにあるのですか、デモニオ卿」  「あぁ、間違いない。 あのSTCに、地球合衆国軍が密かに新型宇宙戦艦を製造している造船基地がある」 黄色いバイザー越しにデモニオがそう答えた。すると艦長は作戦内容が表示されている電子グラフィックボードを手に持ち、それを見ながら作戦内容の再確認のために読み上げ始めた。   「我が艦隊は予定のA領域に到達後、 搭載されている12機のモビロイドを襲撃させ、それから―――」 するとデモニオはナーランダに目をやったとき、他の者には見えない赤いオーラが一瞬、ナーランダを包んでいるように見えた。  「私も、この作戦に参加させていただこう」  「閣下自身も、でありますか?!」 艦長が驚いた表情をして返事をすると、デモニオ卿はうなずきながらこう言い返した。  「至急、整備員に私のベルデドスのスタンバイをさせろ」  「了解いたしました、デモニオ郷。ついでに部下を二人お供させます」  「手間をかけてすまぬな艦長」 重く低い声でデモニオ卿は礼を言った。image=231125297.jpg
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