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「いいじゃないマット、カールやハンスたちもみんなで行こうよ。
それにたくさんいたほうが楽しいもんね、リン」
ブロッサムがリンにそう言うとリンは小さな声「うん」と返事した。
するとブロッサムは体育館の隅に座り込んでいたアキラを見てこう言った。
「あっ!そうだ、アキラくんも誘おうよ」
「えー、アキラまで呼ぶ必要ないだろ」
いきなりハンスが苦い顔をしてそう言うとブロッサムは、
「どうしてそこまで嫌がるの、ハンス」
というとカールが続けて苦笑しながら図星を言う。
「さては、ゲーセンでアキラに負けたくないからかい?」
「べ、別にそういうわけじゃねーよ」
ハンスがそう言い返す。
「それなら決まりね、いまアキラくんを誘いに行ってくるね」
ブロッサムがそう言ってアキラのほうへと走って行った。
「ねぇ、アキラくん。今日の放課後、時間空いてる?」
ブロッサムが座って顔をうずめていたアキラの前で中腰になってそう問う。
「うん、暇だけど。なんかようでもあるの、ブロッサム」
まだ声変わりしていない高い声でアキラはそう返事した。
「そうそう、みんなで放課後デパートに行くんだけど――」
「うん、いいよ。僕もいくよ」
その瞬間、ブロッサムがアキラに抱きついた。
「あーん、ありがとうアキラくん」
満面の笑みで言うと、アキラは苦しそうに返事をした。
「うぐっ、息できないよブロッサム」
無理もない。顔が胸に挟まっているからだ。
「あ、ごめん。スキンシップが過ぎたわ」
その様子を観たハンスは、嫉妬をしていた。
「ク~、アキラのやつめ!」
「なんだ、ハンス。お前まさか焼餅でも焼いてるのかよ」
少しぽっちゃりしている黒人少年のデイブがそう言うと、
「別にそういうわけじゃねーよ、デイブ。
そうだ、デイブ!お前も今日の放課後一緒に来い!」
「えーなんでだよ、俺はうちに帰ってゲームやりたいのに~」
「それならデパートでもできるだろ?明日のランチおごるから頼む」
「ハンスがそこまで言うなら――」
「ありがとう、それでこそ俺の友だよ」
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