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ラクシュミシティーの中心にあるデパートではアキラ達一行がゲームセンターで戯れていた。いくつもの大型の球体型のカプセルのひとつからハンスが出てきた。
「くっそー、また負けた。アキラのやつ、強すぎるよ」
ハンスが悔しそうに愚痴を言いながらカプセルから出ると、デイブも続けて隣のカプセルから出てくる。
「ホントだよ、2対1で挑んでも敵わないとは軍事系の知識が冴えてるおいらでも負けるなんて...」
そう嘆いていたハンスたちにブロッサムはニヒルな顔をしてこう聞いた。
「ほんと、あんたたちはいつになったらアキラくんを撃墜できるのかしらね」
「やっぱ、アキラは将来、立派なモビロイドパイロットになるよ」
リンもそういうとアキラは少し照れくさくなりながらこう言いかえす。
「モビロイドの操縦資格が手に入ったら、モビロイドのパルクールレースで活躍したいな」
「けどさ、死んだ親父さんがそれを聞いたら、敵がとられないことほど悲しいことはないだろうな」
皮肉をこめてハンスがそう言うとアキラは顔をうずめてしまった。これは失言だと思ったブロッサムはハンスのわき腹に肘うちをした。ハンスは痛そうな顔をして「イテッ!」という。
「だけど、モビロイドパイロットは機械と機械での勝負だから、運動ができなくてもパイロットにはなれるもんさ」
マットはアキラに元気を取り戻すために元気づけた。するとブロッサムの同級生で褐色の肌のラテン系少女のベティーと一緒に見知らぬ少女が歩いてきた。彼女達に気づいたブロッサムは待ちくたびれたとでも言うような顔をした。
「遅かったじゃないの、ベティー」
「ごめんね、遅れてきて」
「あれ、見かけない子が一人いるけど、どなた?」
首をかしげながらカールがそう尋ねた。
「あ、この子ね。紹介が遅れたわ。彼女は今日私んちの隣に越してきた子なの。名前は確か...」
すると見知らぬ少女は礼儀正しくお辞儀をした。
「はじめまして、ミユキ ヤマシタと申します」
―――か、かわいい。
カールは頬を赤くして心の中で言うと自分も自己紹介した。
「は、はじめまして、自分はカール・ドレイクと言います」
彼に続けてマット、ブロッサム、ハンス、アキラも自己紹介するとデイブは自分の自己紹介をした後、首を傾げながら小さい声でつぶやいた。
「ヤマシタってなんか聞き覚えがあるな」
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