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真斗「マジねぇよ…」
アリア「全くよ。この小説潰そうかしら」
二人は気づくともう既に飛ばされていた。
そこは食堂。
だが、色が抜かれたように白と黒しかない。
真斗「間違いなく喰ってるな」
アリア「えぇ、間違いなくね」
ふぅっとアリアは気持ちを集中させて空中に手を伸ばす。
そこからイメージをする。
自分の魔具の形を。
アリア「来なさい、『水竜』」
空中に伸ばした手に水が集まり、弾けた。
アリア「ユージ先生から逃げるのに素手はさすがにキツいわ」
青い弓を握って周りに警戒する。
真斗「確かに。ユージの魔具『絶散』はその空間ならなんでも造る代物。
けど弱点があるんだよな?」
真斗も黒炎を出して刃を抜いて構える。
アリア「『十分しか保てない』ってやつね」
ユージ「ふふふ。その通りですよ」
突如、空間が歪みユージが現れた。
ユージ「いやぁ、また会いましたね」
真斗「別に会いたくなかったけどな」
眉を歪めて言ったが
ユージ「あぁ、ロール君はツンデレでしたか」
真斗「んなわけあるかぁっ!!」
アリア「さすが、先生ね。真斗のことよくわかってるわ」
真斗「アリアっ!?」
クスクスっと真斗の反応を見て笑うアリアとユージ。
ユージ「それにしてもルペクトさんとロール君が付き合いをしてると聞いた時はびっくりしましたよ」
アリア「あら、そう?」
ユージ「えぇ。ルペクトさんがこういうタイプが好きなこととロール君がルペクトさんみたいな人が好きなるなんて思ってもみませんでした」
ユージがそういうのもアリアと真斗にはわかっていた。
付き合う前はあまり話すことが少なく、さらに顔を合わせることもほとんどなかった。
だから付き合い始めたとクラスに公表した時は相当驚かれた。
真斗「あんたが思わなくてもオレらは付き合ったんだ」
真斗が黒炎を振るうとそれを追うような火が走る。
真斗「オレがアリアを好きになって、アリアもオレを好きになった。
あんたらがどう思おうとこれが現実で事実なんだよ」
鞘をイメージで消し、黒炎をユージに向けた。
真斗「たったそれだけの話じゃねぇか」
アリア「……真斗」
ユージ「……」
あまりにも、あまりにも、真斗がアリアを思う気持ちが強く、ユージは表情に出さないが驚いていた。
ユージ(お気軽君がここまで…見方を変えないといけないようですね)
黒炎を向ける真斗の目は真剣そのモノだった。
ユージ「一筋縄ではいきそうにありませんね」
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