『二年前の二人の魔法バカの出会い』

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アリアはもう自分が何を言っているかわからないかった。 こんな事を言っても無駄なのに、口は止まらない。 アリア「私はっ!!みんなと仲良くしたいだけなのにっ!!」 水圧の槍を放ち過ぎて魔力が少なくなっていき槍が小さくなっていく。 それでもアリアは投げ続けた。 アリア「もういやっ!!」 槍が消えて、魔力が尽きたはずなのにアリアは魔法を発動しようとする。 完全に魔力が尽きると死を意味するのに。 アリアは止まらなかった。 完全にイメージして、魔力を身体中から吐き出す。 アリア「こんなの…こんなの……もういやなのっ!!」 周りにも影響が渡り、倒れる者も現れた。 教師たちも慌てて駆け寄ろとするがアリアの魔力に拒まれ、舞台に上がることが出来なきない。 真斗「………」 唯一舞台に上がり、アリアの魔力に耐えている真斗はじっとアリアを見ていた。 アリア「耐えれないっ…」 弱く吐く。 するとアリアを中心に魔法円が広がった。 『術者の命を引き換えに最強の魔法を発動する円』 それが魔法円だった。 暴走したアリアは無意識でそれを展開してしまう。 真斗「……」 そこで真斗が動いた。 急速にアリアの前に来ると一気に… 真斗「目覚ましやがれっ!!」 …殴った。 拳で吹き飛ばされたアリアは挙動不審になり、殴れた頬を押さえて真斗を見た。 真斗「いい加減にしろってんだ」 呆れるように呟くと真斗はアリアを見下ろした。 真斗「何が耐えれないだ」 真斗は紡ぐ。 真斗「お前はさっき自分で言ったよな?『みんなに認められたいだけ』って」 真斗は見下ろしたまま厳しくどこか優しい声をアリアに向けた。 真斗「だけどこの視線が嫌い?あまたっれてんじゃねぇよ!!」 声をあらげ、真斗はアリアの目を見る。 目もう泣きそうで揺れていた。 真斗「『認められる』ってことは嫉妬やこの視線すらも受け止めてやっと『認められる』なんだよ!!」 アリアが揺れた。 真斗「こんなのも受け止めれねぇ奴なんて『認められる』わけがねぇだろっ!!」 真斗はじゃがみアリアに目線を合わせる。 真斗「胸をはれ、強気で居ろ、それでやっと『認められる』だからな」 と優しく言った。 アリアは目を大きく明けると「…うん、うん…」と何度も頷いた。
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