『一人の魔法バカの友と教師との日常』

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生徒相談室を抜けて、自らのクラスに直行した真斗は机に顔をのせた。 ?「ん?ロール、どうした、そんなにダルそうな顔をして」 真斗に気づいて一人の男が近づいてきた。 独特な赤髪に深紅の目とあまりにも特殊が特徴で、学園指定服の一年の青のローブを腰に巻いている。 真斗「サージルか…」 ロキ「ロキでいいって言ってるだろ?」 ロキ・サージル。 入学式の前にあるクラス発表の時に真斗に話しかけて仲良くなった一人。 真斗「いや、面倒なことしてしまったなぁって後悔してた」 ロキ「ああ、闘技場の話か」 真斗は頷いた。 噂は既に学園全体に広がっているだろうっと予想していたから驚きはしなかった。 ロキ「ハデに暴れたらしいな?」 真斗「久々にオレと張り合える奴に会えたんだから仕方ねぇだろ」 ロキ「泣いてた女の子も慰めたらしいな?」 うるせぇっと真斗は窓に顔を向ける。 そんな真斗にロキは笑った。 ロキ「アリア・ルペクトって女の子は」 真斗「は?」 真斗は再びロキを見た。 ロキ「お前が戦って、慰めた女の子、アリア・ルペクトだ」 真斗「そういやぁ、そんな名前だったな」 戦闘が印象的で忘れた。という真斗にロキはお前らしいなっと返す。 真斗「そいつがどうしたんだ?」 ロキ「ああ、学園1の美少女の称号がある」 真斗「……一応、聞く。なんだその称号は?」 ロキ「この学園一番の美少女っということらしい」 真斗「………」 ロキ「………」 真斗は口を開けて、だらしなく唖然とする。 真斗「つまり、オレは学園1の美少女と派手に戦闘して、学園1の美少女を慰めたってことになるんだよな?」 ロキ「そうなるな」 絶句。 学園1の美少女と戦闘しただけならまだマシも真斗はギャラリー生徒の前で顔を拳で殴った。 もし、ギャラリー生徒がそれを広めたりしたら… 真斗「ねぇわ、本気で…」 身震いした。 ロキ「頑張れとしか言えんな」 ロキもわかっているのが同情の視線で真斗を見てしまう。 真斗「はぁ…」 チャイムがなるまで真斗のため息が止むことはなかった。
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