『一人の魔法バカの友と教師との日常』

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あれから、すぐに全員が水晶に触り、魔力測定と属性を確認した。 ロッド(……まぁ極端に高いのはあいつだけか) 普通より魔力が高い人もいたが最初が最初。 それはあまり注目の的にならない。 ロッド「よし、じゃあ次は魔具だな」 ロッドはまた魔法を使い、ある袋を出した。 ロッド「この中には魔具の源が入っている。それに自分の魔力を流して自分専用の武器を造れ。形はお前らの想像だ。剣なり槍なり好きにしろ」 ロッドは面倒くさそうに頭をかき、魔法で全ての生徒の前に円状の小さなコインみたいな物を置いた。 ロッド「それが魔具の源だ。さっさっとやれ」 言うとロッドは椅子に座り、教卓に腕を置いて顔を伏せた。 真斗「……教師だよな?」 二度目の疑問にも答える者はいないので無理矢理納得した真斗は目の前のコインみたいのを手に取る。 真斗「これがねぇ…」 一生の相棒になる魔具をこのコインから造られると思うと少々不安がっていたがやはり、やらないことには始まらないと真斗はそのコインに魔力を送った。 イメージ。 形は刀。 長さは照準より少々長め。 刃は片刃。 細かく細かく想像して魔力を送り続ける。 魔力がコインを光らせるまで発達するとコインが形を変えた。 伸びた棒状になって、両端の太さが変わり、最後の色づく。 真斗「………」 真斗は自分の目の前にあるものに唖然とした。 真斗(確かにイメージ通りの形になったけど…) 真斗が創造した刀は鞘か剥き出しの状態で刃には炎の絵が刻まれている。 そして、何よりも真斗を唖然とさせたのは色。 その刀の色は深い闇のような黒だった。 真斗「なんつー悪趣味な…」 だが手に取ると真斗の手に馴染み、振りやすいようである。 真斗「……まぁ、悪趣味なのはこの振りやすさで勘弁してやるか」 真斗は一緒に出てきた鞘に刀を入れ、ロキのほうを見た。 ロキも既に魔具の創造を終えて自分の魔具を眺めている。 真斗「あいつのは……槍か?」 普通より大分短めだが、ロキが持っているのは間違いなく槍。 真斗「たしか、ロキは雷だったな」 あの短い槍とロキの雷での相性、そして、ある程度予想すると真斗は嫌に寒気を覚えた。 真斗「間違いなく、スピード派でいたぶられる…」 スピード最強の雷に小回りが利く槍。 真斗「…対策考えとくか」 時間は過ぎていく。
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