『日常的茶飯事に魔法バカのバカップルの話』

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真斗「っというのは冗談で昼飯おごれ」 アリア「え~またぁ」 真斗「お前負けるから悪い」 うぅと図星を当てられアリアはうなだれる。 真斗「さぁ、飯だ飯!」 食堂に着いた二人は癖につき向き合うように座った。 真斗「いやぁ、スペシャルゴールデンセットはうまいなぁ」 アリア「い、一番高いの選んだわね…」 喜んで食べる真斗を前にアリアは財布の中身を見てため息をはく。 アリア(今日はお昼抜きね) はぁっともう一度ため息を吐きお茶をちびちびと飲む。 真斗「…アリア」 アリア「ん?はむ」 呼ばれて真斗を向くと口にスペシャルゴールデンセットのおかず、ドラテールを入れられた。 アリア「ふぁ…」 熱いと思いながらもアリアはしっかりと噛む。 真斗「どうだ、うまいだろ?」 アリア「う、うん…」 頬を赤めて、うつ向く。 アリア(ず、ずるいわね…) そう思わずいられないアリアであった。 真斗「ふぅ、食った食った」 アリア「早すぎじゃない?」 スペシャルゴールデンセットを十分もしないうちに食べ終えた真斗にアリアはびっくりする。 アリア「相変わらず底がわからないわね」 真斗「そうか?」 「相変わらずラブラブですね」 真斗とアリアの所に細い体をした紳士が急に現れた。 制服というより軍服を身に纏い銀色の長い髪を揺らして赤い切り目で二人を見ていた。 真斗「ユージじゃねぇか」 アリア「一応先生よ」 ユージ「あはは、相変わらずですね」 真斗「じゃあ、ユー先」 アリア「教師をなめちゃ駄目よ」 ユージ「無視かね。いい度胸ですね」 バチっとユージが指を鳴らす。 真斗「じゃあユー公で」 アリア「犬の名前?」 ユージ「空間を食え『絶散』」 真斗「じゃあ、ゆ……」 急に言葉を止め、ユージに目を送る。 真斗「今、何した…」 ユージ「ただの魔具召喚ですよ」 それを聞いた瞬間にざわめいていた食堂が静寂した。 アリア「ユージ先生の魔具って確か…」 アリアも唇を振るわせる。 真斗「あぁ…『その場から半径十メートルの空間を捕捉する』ってやつだ」 真斗も冷静にしているが顔が真っ青である。 ユージ「教育のために必要な物ですから」 真斗「教育より、拷問の間違いだろ…」 アリア「逃げるわよ!!」 真斗とアリアは食堂の机を飛び台にして一気に跳ぶ。 真斗「アリア、下に氷張れ!!」 アリア「わかった!」
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