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ある者は王様ゲームが気になって仕方ない。
ある者は秀樹と里美の死を悲しむ。
ある者は秀樹と里美の死は偶然か。
ある者は命令の実行について。
困惑と悲しみ。
いつも一緒に授業を受けていた秀樹と里美の姿がない。
教室の雰囲気が全く違う。
これで友達の死について実感したのか、ほとんどの生徒達が悲しみだす。
二度と秀樹と里美は帰ってこないんだと気づき。
授業中に泣き出す生徒達がたくさんいた。
教室の中で楽しそうに会話している生徒達がいない。
秀樹と里美の死を悲しむ、今日一日はそんな日だった。
授業も終わり帰ろうと帰り支度をしていると、悲しそうな顔をして智恵美が近寄ってくる。
「今日泊まりに行っていい?一緒にいたいの……」
「泊まりにきなよ!」
智恵美の頭を軽く2回叩き優しく答えると、ニッコリ笑い俺の袖を握りついてくる。
けど家までほとんど話すことはなかった。
悲しみからまだ抜け出せない。凹んで何も話す気になれない。
秀樹と里美のことを思い出したくなかった。思い出せばまた泣きそう。
そして王様ゲームの話を出したくなかったから。
家に着くまで智恵美は俺の袖をずっと握ったまま。
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