命令3

38/45
前へ
/2443ページ
次へ
ある者は王様ゲームが気になって仕方ない。 ある者は秀樹と里美の死を悲しむ。 ある者は秀樹と里美の死は偶然か。 ある者は命令の実行について。 困惑と悲しみ。 いつも一緒に授業を受けていた秀樹と里美の姿がない。 教室の雰囲気が全く違う。 これで友達の死について実感したのか、ほとんどの生徒達が悲しみだす。 二度と秀樹と里美は帰ってこないんだと気づき。 授業中に泣き出す生徒達がたくさんいた。 教室の中で楽しそうに会話している生徒達がいない。 秀樹と里美の死を悲しむ、今日一日はそんな日だった。 授業も終わり帰ろうと帰り支度をしていると、悲しそうな顔をして智恵美が近寄ってくる。 「今日泊まりに行っていい?一緒にいたいの……」 「泊まりにきなよ!」 智恵美の頭を軽く2回叩き優しく答えると、ニッコリ笑い俺の袖を握りついてくる。 けど家までほとんど話すことはなかった。 悲しみからまだ抜け出せない。凹んで何も話す気になれない。 秀樹と里美のことを思い出したくなかった。思い出せばまた泣きそう。 そして王様ゲームの話を出したくなかったから。 家に着くまで智恵美は俺の袖をずっと握ったまま。
/2443ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1189287人が本棚に入れています
本棚に追加