つぎのつぎのはなし

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「やっ!お疲れ。」「治療の邪魔です。早く此処から出て行ってください。」先生の様子を見に、衛生兵のテントに入ったワタシに対してのサクラの第一声がそれでした。「うわ。即答だよこの子は。まったくどんな親に育てられたんだか。」「生みの親は別に居ますが、育ての親はテントの入口でアホヅラしてボケっと立ってますけど?」「ぐわ、ひでえ言われよう。ツンデレ娘の失敗作ここに極まれりだなぁ。まあ別に気にしないから問題ないんだけど。愛が足りないぜっ!つー感じかのう」「あなたに対する愛情とやらは微塵も有りませんが、あなたは会議を抜け出して先生の様子を見にきたのでしょう?先生の治療は後五分程で終了しますから、とりあえずテントから出ましょうな? 〆の作業だから大変なわけなのですよ?ここであなたの体に付着した菌がこっちの無菌室に入ってくると何発症するか分からないでしょう。はいはい、さくさくっと出ましょうね。」「人をばい菌の塊のように罵る娘に育てた覚えは無いんだがなあ。まあいいや。五分後にまた来るよ。」そう言ってテントの外でウロウロする事五分弱。中から「もう良いですよ。後、余計な事したら問答無用でテントから蹴り出しますので。」へいへいとおもいつつテントの中に入ったワタシがみたものは、手足のなくなった先から色が違う手足と、奇妙な眼帯を付けた先生だった。「ああ、お前か。」「ああ、お前か。じゃないですよ先生!どうしたんですかその体。サクラいったいどうなってる?」「落ち着け馬鹿者が。サクラを責めるのは筋違いだ。私から頼んでこの体にしてもらったのだよ。この体のパーツは、私の部隊の戦死者達のモノだ。仲間の弔い合戦に逝こうと思ってな。3時間だ。それ以上は持たん。後はお前らで何とかしろ。」サラリと先生はそう言って目を閉じた。「止めたとしても行くのでしょうね先生。けど無理しすぎです。治療した者として言わせてもらえるならば、最低でも丸1日は絶対安静を言い渡したいですけど・・・ 」「まあ無理だろうな先生だし。」ワタシが呟くとサクラもほぼ同時に「まあ無駄な助言ですね先生だし。」先生が半眼で「オイ、お前ら。学生の頃のようにもう1度しごきぬいてやろうか?」ワタシとサクラの体がビクッと反応する
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