つぎのつぎのはなし

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ふと、今ではない遠い過去の記憶がまざまざとよみがえる。あの頃はまだ戦争など始まるなんて思わなかった時代。豊かではないが、みんなおおらかで、心がゆたかな時。ワタシやサクラは何をどう間違えたのか、スパルタで有名な先生の授業を受ける事になり・・・地獄を見ました。「冗談でも本気で止めて下さい先生。」首筋に冷や汗ひとつ伝うのがわかる。あの当時10歳のサクラも同じ地獄の様なしごきに毎日付き合わされて、帰り道で一緒によく泣いてたモノです。しかし、今はあんなんになってしまいましたが。横目でサクラを見ると目が合ってしまい、「何です?昔の事でも思い出しましたか?」見事に心の中を見透かされたのでした。「ふう、それはそうと先生。あの当時私が預かったアレを返しておきましょう。」先生が首を傾げる「お前に預けた物など無かった筈だが。」「いえ、卒業式の日に悪友と先生の秘密部屋に侵入しまして、使えそうなモノを幾つかパチってたんですよ。先生って手に入れたモノに執着しないじゃないですか。どのみち卒業したら戦場に行く事は確実だったから、生きて帰る為にいろいろと拝借してたんですよ。残念ながら、もう回収不能なモノもありますが、それらを使えば先生の生存率が上がると思いまして。とりあえずそれらを渡しておこうと思います。いつか返そうと思ってたからちょうど良い機会でした。」「幻覚を見せるミラージュリング、風を纏う鎧 風神王、知識の兜ドラゴンクラウン、神速の脚バルキリーブーツ、巨人の腕(かいな)ギガントガントレット、隠者の影ステルスマント、この世において切れぬ物無し 光刀流星と黒刀月光と後は薬類か、しかしよくこれだけ持ち出せたものだ。お前が今使ってる聖魔両断刀も持ち主を選ぶ妖刀で魔力だだ漏れで曰わくつきの代物だから私も扱いに困ってたのだか。ん?そういえばお前会った時もそいつを腰に下げてたが、私は気付かなかったな。一体どうごまかした?」ワタシは腰の刀の柄をぺしぺし叩いて「柄にちょっと細工しまして、使う時以外はステルスリングの力で見てくれを、デモンシールで力の封印してるんです。コイツも久しぶりに先生にあいたい言ってたから、特別に封印解除したんですよ。」
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