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何か刀の近くで子供が体育座りしてますよ?武器倉庫には長老以外は4人しか入って無かった筈と考えた時はすでに遅く、それと目が合ってしまいました。
「あなた私が見えるの?」
パタパタとこっちに近づいてくるチビッコ。よく見ると服装がサクラ着ていたキモノとゆう服に極似している。
嫌な予感がした。とっさにグローブをはめた手を反射的に前に出してみる。
「きゃっ。」
小さな悲鳴を上げてチビッコが後退る。
「ひどーい。久しぶりのお客様だから歓迎してあげようと思ったのにー。」
涙ぐむチビッコ。嫌な予感的中。コイツは憑物だ。とびきり強力で凶悪な部類に入るヤツだろう。履いていたグローブが塵と化している。ワタシはくるりと反転すると、全力ダッシュで逃げ出した。
「?。!。まてー。にーげーるーなー!」
鬼気迫る表情で追いかけてくるチビッコ。
とりあえず対処出来そうな長老の元へ全力疾走。時折落ちているグローブの切れっぱしを投げつけて牽制しつつ、(切れっぱしでも効果が有るらしい)目的地に到着。しかし、そこには頼みの綱の長老がいない。後ろからは鬼気迫る表情から悪鬼羅刹の表情に変化したチビッコが
「⊆〇⊂∀Υ†!!!」
よく解らん言語で奇声を上げて迫ってくる。凄く怖い。まるでクスリを決めて暴れまわるキ○ガイの様だ。
しかもいくら探しても長老が見当たらない。チビッコが刻々と迫ってくる。まるでB級ホラー映画の1シーンの様だ。
(こりゃかなりやべーな。サクラを巻き込まなかったのが唯一の救いっちゃ救いなんだが。)
そして事態は最悪の方向へ転がり出す。
サクラがワタシを探しにきてしまったのだ。遠くの方からワタシを呼ぶサクラの声が聞こえてくる。
「ちっ。おい、チビッコ。ワタシは此処にいるぞ。」
しかし、チビッコはサクラがいる方へ走り出した。
(なんてこった。せめてサクラは逃がさないと。)
思い切り息を吸い込み、
「サークーラーにーげーろー。長老にたーすーけーてーもーらーえー!」
サクラが逃げる気配がし、サクラは捕まえられないと気が付いたチビッコが反転してワタシの方へ走ってくる。
(さあ、どうするか。)
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