~間話~引きずられていくアイツの話

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歪んだ空間から、何かとてもまがまがしい刃がついた槍の様な物が召喚されていく。 「貴方、長刀を見るのは初めてかな?私のは特別製だからちっとやそっとじゃ止められないよ?まあ、貴方の持ってる玄武の力を解放出来るなら別だけどねー。」 玄武に力を込める。ヤツは本気だ。コレの力をすべて解放しないと一瞬で無に還るだろう。気になる点が幾つかあるが今はそんな事気にしていられる状態でもない。 そんな事を考えていた時だった。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 サクラの悲鳴! チビッコもうろたえている。 「なんで?あっちには何も無い筈。マリオン!どうなってるの?」 今の一言で疑問がすべて納得に変わった。 「そうゆう事か。」 「あ、やば。」 急にまがまがしさが消えるチビッコ。 「先生!後で覚えていて下さいよ!」 オロオロしているチビッコを無視して、サクラの声のした方へ全力疾走する。 「あう。私も行きますよぅ。」 先生から指示があったのか、チビッコが後からついてくる。 「お前は邪魔だ。ついてくんな。」 相当焦っているのだろう。地の性格が出てしまった。 「貴方にそれを言われるとは思いませんでした。戦闘にのみ私は貴方を凌駕している。その事実をふまえての言動ですか?」 何か頭にきた。 「黙れガラクタ。サクラは俺が救わなきゃ駄目なんだよ。アイツは・・・。」 「アイツは何です?廃棄ナンバー5121。人間兵器の失敗作、それとも今名乗っているクロスタン・L・ワイズマンと呼んだ方がいいかな? 」 「お前、何処まで知ってる。」 限界まで抑えていた殺気を解放する。 チビッコはクスクス笑いながら 「怖い怖い。これからからかう相手ですもん。事前の調査はバッチリですよ。 何なら出生の経緯から・・・・え?」 村雨と玄武を完全解放して、チビッコを三枚卸にし、サクラの声がした方へ更にスピードを上げて走る。しかし 「いきなりは酷いなぁ。」 何も無い空間から平然な顔をしてチビッコが出てくる。 「まさか、ドッベルライナーか?」 「正解です。複数の自分を世界に同時存在させる空間魔術。この世界には魔術で大量生産された私が機能停止したものを抜かして500体位いるの。それらを全て破壊ないし封印しないと私とゆう存在は滅する事ができませんよ。」 ふむ。先生がらみの化け物だし、実害がないようなので無視することにした。image=91196884.jpg
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