~間話~引きずられていくアイツの話

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2人がこっちに気が付く。 「2人とも何やらかしたんですか?サクラちゃんは魔力が枯渇しかかって重症だし、クロは全身に内側から切れた様な傷だらけだし。」 包帯をほどけとジェスチャーし、口元の包帯が解かれると 「アホー!来るのが遅いわ!ワタシはともかくサクラに何かあったらどうする。」 「その時は責任持って僕がサクラちゃんを嫁に・・・。」 げしっ! 包帯まみれの足でギルモアを蹴り飛ばす。 「痛~!」 2人の声がハモる。 そして長老が目を覚まし、 「己らは馬鹿か?そんな体で行動すれば痛いのも当然だ。特にクロスタン。お前は本来生きているのが奇跡的なのだぞ。」 長老がサラリと怖いセリフをはく。 「お前もだギルモア。いくらバッツとワシが協力したとは言え、 本来アレの始末にはもっと前もった準備が必要なのだぞ。 ワシが札を余分に準備しておかなければ、今ここにいたのはワシらではなかったかもしれんのだ。そこらへんをキチンと反省しておく様に。」 言うだけ言って長老はまた眠り始めた。 「ギルモア、バッツ、オマエ達一体何やらかした?長老がこんなに怒ってるの初めて見たぞ。」 「いえ、ただ実体化した魔力の塊を始末したら、魔力のバックドラフトで吹っ飛ばされただけです。」 こうヒューっと。身振り手振りを交えてバッツが説明する。 「実体化する程の魔力ってか。まあ、触媒になる物がそこら中にあるからな。サクラの魔力が実体化してこの程度で済んだのが不思議な位だよ。」 寝息をたてるサクラの方を見て、 (これで魔力のなくなったサクラは追われずに済むな。後は俺が奴らを引きつけて始末すれば全てが解決する。) ギルモアが 「どうしたんですか?サクラちゃんを熱く見つめたりして。はっ!禁断の恋とかっ!?」 「おちつけ馬鹿。サクラの心配事が一つ減ってホッとしただけだ。それと、別に禁断の恋でも無いぞ?ワタシ達は拾われ子だったから血は繋がってないしな。」 「うわぁ、クロのシスコンレベルが上がりまくってるよ。クロは彼女作らないとサクラちゃんもおちおち彼氏も出来ないじゃないか。」 「ふっ、最低でもワタシより強い奴じゃなければサクラの彼氏は勤まらないのだよ。」 遠い目をしながら呟く。 「肉体のみでの闘いなら、サクラは先生とだってタメはれる強さ何だからな。」
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