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「ゲ。竜を殴り倒した先生と同レベル?」
ギルモアが絶句する。
「あれ?知りませんでしたか?その筋では相当有名な話なのですが。」
バッツが首をかしげる。
「バッツ、お前なー。せっかく先生が裏で色々やってくれたのにお前が話してどうするよ?
それに有名なのは教師の中での話であって、生徒の方には情報流さないって話だったろ。
お前は忍の特殊スキルと趣味の諜報活動で偶然手に入れた情報なんだろうが、情報流したのをそこで寝てるヤツに聞かれてみろ。お前半殺しじゃ済まされんぞ。」
ばっ!とバッツが後ろを振り向くが、サクラはまだスヤスヤと眠っている。
さて、とギルモアに向き直り、
「サクラに殺されたくなければ今の話は忘れろ。そしてサクラの前では絶対に話すな。
先生のは体術の究極だが、サクラのは少し違う。くらうとほぼ100%死ぬ。
まあ、毒手みたいなものとでも思っとけ。
この話はこれでおしまいだ。いいか、何度も言うが、このことは絶対に他言無用だ。気付かれた瞬間にヤツが命を狩りにくる。」
ガタガタ震えながらギルモアに忠告し、サクラの方を振りかえる。
ワタシの様子を見て、相当ヤバいと感じとったのだろう。ギルモアはそれ以上何も聞かないでいてくれた。
「まあ、それは良いとして、さっきからクロの後ろにいる子は誰?」
サラッとギルモアが口にする。
「お前、これ見えるのか?」
横からバッツも会話に入る。
「この子が着てる服はサクラちゃんの着てた服に似てます。着物、いや巫女服ですね。全身白い巫女服とは珍しい。ん~?全身白い服装?」
バッツが首をかしげて何か思い出そうとしている。
「へぇ~。私が見えるんだ。基礎的な魔力素養が高いのか 何か私に干渉出来る特別な物でも持ってるのかな?」
「クロ、何かすごく偉そうな子供だな。どこでさらってきた?」
「おい、今すごい失礼なこと言わなかったか?」
ギルモアがワタシをスルーして
「お嬢ちゃん。どこから連れてこられたかは知らないが、此処は大悪魔の蔵なんだ。早く出ないと悪魔に取り付かれてしまうよ。」
「おいおい、表現的には間違ってないんだが、先生が聞いてたら・・・。」
サーッと血の気が引いていく。ギルモアの後ろに此処にいない筈の先生が立っていたのだ。
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