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「ギ、ギ、ギ、ギルモア、後ろぐはっ。」
額に小石の様なモノが当たり、意識が遠くなる。
「おい、クロどうした?」
かろうじて動いた左手でギルモアの後ろを指差す。
後ろを振り返ったギルモアが見たのは、笑顔なのに怒っているオーラを揺らめかせている先生と、すでにボコボコにされたバッツのなれの果て、顔中に落書きされたサクラと長老の姿があって
「10秒やろう。逃げるも良し、今だけ神に祈るのも許そう。さあどうする?」
状況が飲み込めず、パニック状態になっているギルモアに
「どうせ逃げられん。お前の全てを賭けて防御しろ」
とアドバイスして、ワタシの意識は闇に落ちた。
意識がなくなる直前にギルモアの悲鳴が聞こえた様な気がしたのは、ヤツがアドバイスを聞いてくれたからだろう。
良かった。逃げ出したら9割方殺されてたぞ。あの悲鳴なら半殺し位か。
意識を取り戻して、起きたそうそう目に入ったモノは、ギルモアとバッツの尻、正座した長老、寝起きで不機嫌なサクラと、契約した刀と武器の様な骨の塊に真っ黒な短刀、今回の騒ぎの原因になった杖、そして手を組んで仁王立ちする先生でしたわ。
どうやら長老から今回の事件の顛末を聴取しているらしい。
「ふー。大体の経緯はわかりました。
しかし貴方がついていながらこの結果とは。あの酒プレミア付いて高かったんですよ?なんの為に貴方を残したと思ってるんですか。あんなんでも一応は私の生徒なんですから預かっている以上は・・・。」
先生が説教モード全開だ。
逆さ吊りになってるギルモアとバッツを小突いて意識があるか確認する。
小声で 「おい、ギル、バッツ、動けるか?先生が説教モードに入ってるから、バックレるなら今しか無いぞ。」
バッツ「・・・・・」
返事がない。ただの屍の様だ。(7.5割殺し済)
ギルモア 「無理。手足の関節がはずされて動かない。」
「ちっ、面倒な。」
隠しナイフでこっそりと吊られているロープを切り、奥歯に仕込んだ霊薬を取り出す。
「ギル、痛むが絶対声出すなよ。」
切ったロープを解いて、ギルモアの関節を入れる。
ゴキベキと嫌な音が聞こえたが、スルーし、激痛でのたうちまわるギルモアに霊薬を飲ませる。
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