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  1999.桔の月    free soundは12歳になった。    幼少の夢は、海賊になって宝物を探す事だった。    しかし、今は父の仕事を継ぎ漁頭になる為、毎日、漁船の手入れを手伝っていた。       【ある夜】      光が差し込み、ふと、眼が醒めた。    幼少の時に浜でひろった  羅針盤に光が当たり輝いている。      なんだ?    free soundは光の方向を見た。    海からそそり立つ光は5方向へ拡がりその一つが、free soundの持つ羅針盤に当たっていた。    雷鳴が轟き、光が多方向へ拡散した。まるで、空を翔ける龍の如く漆黒の闇へ消えていった。    光の当たっていた羅針盤は自ら光輝き、壊れているにも関わらず、ジィィィィーと言う音を伴い針がある方向を射し止まった。    そして、光を失った。
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