2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
―――――……ぇ
微かに聞こえる声。
夢の中で、桃は長い廊下に佇んでいた。
――――……ぃ
遠くの方から聞こえる、その声に桃は耳を澄ます。
――――……っ
その声は微かに聞こえる笑い声と共に次第に桃に近づいていく。
その頃桃の頭は警告を告げるアラームが鳴り響いていた。
"この場にいては いけない"
元元勘の鋭い方ではなかったが、どうしてもその場にいたくなかった桃は、その声から逃げるように走り出した。
しかし、そこは夢の中。
走っても走っても声はどんどん近づき、桃のすぐ後ろ迄近づいてきていた。
そして、桃の耳元に届いた声。
「―…綺麗な顔ね、頂戴」
最初のコメントを投稿しよう!