雛人形

6/7
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
       薄目を開けた桃の目に、一瞬何かが見えた。  何かがベッドに這い上がろうとしている気配がする。  そして、最初に見えたもの。  それは紛れもなく人形の白い手だった。  次に見えてきたのは、少し埃のついた黒い髪。  桃は驚いた。  目の前に現れたのは、あの雛人形だったから。  その人形は桃に言った。  「貴方の顔綺麗ね … 頂戴」      
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!