第1章~愛される実感~

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 県立桜花高校、ここは県内でも有数の進学校。 20XX年4月、志木朋也(しき ともや)はこの桜花高校に入学した。 朋也は、頭良し、運動神経良し、顔もそこそこ良し、というまぁ良くできた人間だ。 しかし、1つだけ欠点がある。 自分の感情をうまく表に出せないことだった。 女性と付き合ったことは何度でもあるのだが、 「本気で好きになってくれてない…」 と言われてフられてしまう。 そんな朋也も高校入学をきっかけに自分を変えようと決心した。  朋也が高校に入学して1週間たったある日。 「なぁ朋也もうクラスの奴の名前、全員覚えたか?」 朋也は中学時代から仲の良い神田渉(かんだ わたる)と話していた。 「ん…まだちょっと危ない奴が2、3人いるなぁ…ほらあのちょい静かな女子とか」 2人が入学時定番の話をしているとなにやら甲高い声が聞こえてきた。 「おっはよぉ!私の恩人1号、2号!」 古屋由利(ふるや ゆり)が後ろから走ってきた。
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