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「おはよう…なぁ由利、そろそろさ、その恩人てのやめてくれないか?」
「え、だって朋也と渉がいなかったら私は今ここにいないのよ?」
数ヵ月前、桜花高校の入学試験の日、3人は初めて出会った。
朋也と渉が試験会場に入ろうとしたとき、隣からガサガサと草をかきわける音が聞こえた。
そこには受験票をなくした由利がいた。
そこで、朋也と渉も協力して受験票を探したところ、時間ギリギリで見つかったのだった。
その結果、3人とも合格し、同じクラスになり再会したというところだ。
「私みたいに頭良くてもあのままじゃここ受かんなかったからさ」
由利はおちゃらけたように言ったが、頭が良いというのもあながち嘘ではない。
入試の点数は500点満点中498点、しかも、その落とした2点というのも、答に単位を書き忘れたという…まぁ事実上の満点だ。
そんなこともあり、朋也と渉は入学後由利に勉強を教えてもらったりしている。
「私たちってさ、まだ会ってちょっとしか経ってないのにもう仲良しじゃん?他の人とも早く仲良くなりたいなぁ」
「お前なら大丈夫だろ。それよりも問題はこの朋也君だって…」
渉は由利に説明口調で話した。
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