三章 女三人旅道中

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「アルミス……」  ルヴィはアルミスの方を見た。  どうやら、彼女は細かい説明が嫌いらしい。その役はアルミスにまかせたと瞳が物語っている。  それを理解したアルミスは、すぐに口を開いた。 「時空の狭間とは、我々が今いるこの世界に生じた『隙間』の部分であり、ここは過去、現在、未来が交じり合う、ねじれた空間であると聞き及んでいます。主に『魔神』がそこを根城としているようですね」 「え、何?世界の隙間?ねじれた空間?」  ミオンには、アルミスの言う事がまったく理解出来ていないようだ。  先程までの神云々の話は、彼女の常識を超えたものであったが、それを取っ払ってしまうことでなんとか受け入れることも出来た。  だが、これは何処か次元の違う話である。  最早常識がどうのというレベルのものではなく、元々そういう概念が頭の中に無いのであるから、理解するためには根本的な思考の改革が必要となる。 「ええと……私も詳しいことは知らないのですが、この世界が出来上がってからこれまでの長い月日の間に、少しずつですが世界に綻びが生じていき、その積み重ねによって発生したのが、この時空の狭間だと言うことらしいです」  そこで、アルミスはチラリとルヴィを見る。 「うん、大体そんなとこだね」  そう言ってルヴィは頷いた。  まるで、彼女がその成り立ちや構造の全てを知り尽くしているかのように……
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