84人が本棚に入れています
本棚に追加
「うるさい!!言っとくけど、私とあいつの間には、あんた達が勘繰っているようなことは、一切ないからね」
今にも噛み付きそうな勢いでミオンは言う。
しかし、それは照れ隠しのために、必要以上に騒いでいるという風に見えなくもない。
意地の悪い者なら、さらなる追い打ちをかけて彼女をおちょくっているところであろうが、ルヴィはここで真剣な表情をする。
「分かったよ。けど、ミオンはとっても優しい女の子で、本当はそんなに強い子じゃないんだから、辛いとか、自分ではどうしようもないと思ったときは、我慢せずにその人に頼ったほうがいいと思うよ」
その瞬間、ミオンの顔が真っ赤になる。
「な、な、な……なに言ってんのよ、あんな奴いなくても、私一人でも上手くやれるわよ」
突然、年下の少女から己の内面を見抜くような発言をされ、動揺を隠し切れないでいるミオン。
この時の彼女の様子は、落ち着きがなく明らかに挙動不審であった。
「ふふふ……ミオンは嘘が下手だね。ほんとは彼のことを頼りにしているって顔に書いてるよ」
「ル~ヴィ~」
ミオンは、ルヴィの柔らかそうなほっぺたをつねろうと手を伸ばすが、アルミスに後ろからがっしりと羽交い絞めにされ、その試みは敢え無く制止されてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!