四章 彷徨うもの

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「え?え~と……実は私もよくは知らないんだよね。あの二人、自分達のことは何にも話さなかったから」 (って私、さっきも同じような言い訳してたよね……)  ふいに彼女は、アルミスからクロスのことについて尋ねられた時のことを思い出す。あの時も今と同じように何も答えられなかったのだ。  既に色々なことを知ったつもりであったが、実際のところはまだまだ何も知らないのかもしれない……そんなことをミオンは思うのであった。  その時、ミオンはクロスが不審な表情で自分を見つめているのに気付いた。  その視線は、彼女に対して何か言いたそうである。 「ちょっと何よ!私が嘘吐いてるとでも思ってるの!?こっちは本当に何も知らないんだからね。文句あるんなら、別に聞いてくれなくったっていいんだから!!」  何かムカっとした感情を覚えたミオンは、そう一気にまくし立てた。  それは、クロスに対する怒りだけでなく、自分自身が何も知らないということに腹を立てて、それを不条理にも彼にぶつけているといった感じでもあった。  だが、クロスは特に気にした様子はなく、ミオンにある質問をするのだった。 「文句はない。ただ、そいつらは信じられるのか?」  そう、今彼が知りたいのはそれらの情報が真実かどうかということである。  嘘を教えられてその通りに踊らされたんじゃあ、あまりにも間抜けである。  ミオンもクロスの言いたいことに気付いたようで色々と考えてみるが、やはり簡単には結論は出ない。
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