84人が本棚に入れています
本棚に追加
そのことにクロスも気付いたようだ。
「どうした?怖いのか?それなら俺一人でそこへ行くが……」
「怖くない!当然、私も行くわよ」
途端にいつもの強気でミオンはそう言う。
「っとにも~スタークス砦の時といい、いつまでも半人前扱いしないでよ。いきなりですこ~~~~し驚いただけであって、既に私がハンターになるって決めた時から、覚悟は出来てるんだって。『彷徨うもの』を前にして、引き下がれるはずないでしょ!」
彼女は、何度も同じことを言うのが億劫だとばかりの様子であった。
「そうだったな。お前の覚悟はあの時見せてもらったんだ」
そう言って、クロスはフッと息を漏らした。
その瞬間のクロスの顔を見て、ミオンは何処か不愉快なものを覚えるのであった。
「ちょっと……今、何思い出した?」
クロスの思考を、敏感に感じ取ったミオンがギロリと睨む。
彼の言ったあの時とは、ミオンにとっての汚点であり、一刻も早く忘れるように忠告をした「あの時」に間違いない。
「いや、何でもないさ。それより、これからどうすればいいんだ?」
クロスは、余計な突っ込みを入れられる前に話の流れを引き戻した。
そして、ミオンにその手段というやつを訪ねるのであった。
何処か釈然としないものを抱きながら、ミオンはそれを告げる。
「……えっとね、この弾丸を使うらしいんだ」
そう言って彼女は、ルヴィからもらった弾丸を取り出した。
最初のコメントを投稿しよう!