四章 彷徨うもの

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 そのことにクロスも気付いたようだ。 「どうした?怖いのか?それなら俺一人でそこへ行くが……」 「怖くない!当然、私も行くわよ」  途端にいつもの強気でミオンはそう言う。 「っとにも~スタークス砦の時といい、いつまでも半人前扱いしないでよ。いきなりですこ~~~~し驚いただけであって、既に私がハンターになるって決めた時から、覚悟は出来てるんだって。『彷徨うもの』を前にして、引き下がれるはずないでしょ!」  彼女は、何度も同じことを言うのが億劫だとばかりの様子であった。 「そうだったな。お前の覚悟はあの時見せてもらったんだ」  そう言って、クロスはフッと息を漏らした。  その瞬間のクロスの顔を見て、ミオンは何処か不愉快なものを覚えるのであった。 「ちょっと……今、何思い出した?」  クロスの思考を、敏感に感じ取ったミオンがギロリと睨む。  彼の言ったあの時とは、ミオンにとっての汚点であり、一刻も早く忘れるように忠告をした「あの時」に間違いない。 「いや、何でもないさ。それより、これからどうすればいいんだ?」  クロスは、余計な突っ込みを入れられる前に話の流れを引き戻した。  そして、ミオンにその手段というやつを訪ねるのであった。  何処か釈然としないものを抱きながら、ミオンはそれを告げる。 「……えっとね、この弾丸を使うらしいんだ」  そう言って彼女は、ルヴィからもらった弾丸を取り出した。
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