四章 彷徨うもの

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「ねえ、オーラってどうやって操るの?」  ふいに、ミオンはそんなことを言い出した。  ルヴィに、自分もその才能があるはずだと言われたから気になっているのだろう。 「……集中力だ。まずは己の中を駆け巡る力の流れを感じることが第一歩。次は、その流れを自分の意思で操作してやるんだ。ここまで出来ればあとは簡単なもんさ」 「ふ~ん、集中力ねえ……」  すると、ミオンは目を閉じて精神集中を始めた。多分、オーラを操ろうとしているのだろう。  それを見たクロスは、彼女に一声かける。 「まあ、常人には難しいだろうが……」 「フン、私は才能があるって言われたんだからね」  ミオンは自身ありげな様子でそう言うのだった。 「そうかい、ならがんばってくれ」  そう言うと、クロスはホーネットを握る右手にオーラを集めていく。すると、すぐに彼の右手、それに銃が青白い光を放ち始めた。  いつの間にか精神集中を止め、それをじいっと見つめているミオン。  クロスの動きを参考にすることで、何かヒントを掴めないかと考えてのことであろう。 (へえ、これがオーラの流れってやつなのね。なんだろ……波打ってる?まるで海の流れのよう……)  ミオンがそんなことを考えていると、ふとクロスの視線が自分の方を向いているのに気付いた。
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