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「……何?」
「ああ、オーラを込め終えたんだが、こいつは何処に向かって撃てばいいんだ?」
クロスがミオンにそう尋ねると、彼女はにっこり笑顔で……
「さあ?」
「おい!」
強い口調でクロスは突っ込んだ。
「いや、私もそれは聞いてないんだ。ただ撃ち出せば道が開けるって言ってたから……何処でもいいんじゃないの?」
ミオンは軽い調子で答える。
「知らねえぞ、どうなっても……」
クロスは呆れたように言葉を発すると、銃を真上に構えた。
いくらこの街道の見通しがよく、周りには特に何も無い場所だとしても、オーラを込めた弾丸の威力がどの程度なのか分からない以上、無闇に水平方向に向けて撃つのは危険だと判断したのだ。
「いくぞ」
その言葉に、ミオンは息を呑む。
そして、クロスは引き金に指をかけると、躊躇なくそれを引いた。
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