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ソラとタケルとシンジの三人は自転車で学校から帰っていた。
「まぁ俺にはシンジのドリブルは通用しないって訳だ」
ソラは自慢気に言った。
「黙れ野菜戦士!」
シンジはニヤリと笑いながら言った。
「誰が野菜戦士だコラぁ!」
「そうカリカリすんなよ、野菜戦士」タケルは堪えれずに笑った。
「野菜戦士じゃねぇぇぇっよ!」
タケルが笑いながら自転車のペダルを漕いでいると、急に曲がり角から出てきた人に気付き、慌ててハンドルを切った。
油切れと言う事あり、甲高い高音が鳴り響いた。
「どこ見てんだコラぁっ」
金髪の高校生はどこから見ても不良そのものだ。
「すんません、ごめんなさい」
タケルは目の前の不良に竦みながらも謝罪をした。
「そんなんで許せる訳ねぇーだろぉが!」
不良の男はタケルの胸ぐらを掴みながら鋭い眼光で睨み付ける。
「おぅどうしたんだ?龍二」そう言いながら五~六人の不良が加わった。
「こいつが前方不注意でよぉ、ぶつかりかけたんだわ」
龍二はタケルの胸ぐらを更に上に掴み上げた。
「本当にすんません!」
必死に詫びるタケル。
「そりゃ~ヤッちまわねぇ~といけねぇだろ」
不良グループの一人がニヤつきながら龍二を煽る。
シンジはソラの袖を引っ張った
「アイツら、首藤工業(すどうこうぎょう)の奴らだ、この辺の番だよ」。
ソラは自転車を降り、タケルのもとへ歩いた。
「その辺でいいだろ?俺たちが悪かった。だから今日は見逃してくれ」 ソラは龍二の腕を掴んだ。
「なんだテメェ? 殺すぞ……お前らぁ、コイツ殺していいぞぉ」
龍二の掛け声に不良グループはソラに向かって走って来た。
ソラは深呼吸をしながら、ゆっくりと身構えた。
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