第1話 「神城 空」

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 ソラとタケルとシンジの三人は自転車で学校から帰っていた。 「まぁ俺にはシンジのドリブルは通用しないって訳だ」  ソラは自慢気に言った。 「黙れ野菜戦士!」  シンジはニヤリと笑いながら言った。 「誰が野菜戦士だコラぁ!」 「そうカリカリすんなよ、野菜戦士」タケルは堪えれずに笑った。 「野菜戦士じゃねぇぇぇっよ!」    タケルが笑いながら自転車のペダルを漕いでいると、急に曲がり角から出てきた人に気付き、慌ててハンドルを切った。  油切れと言う事あり、甲高い高音が鳴り響いた。 「どこ見てんだコラぁっ」  金髪の高校生はどこから見ても不良そのものだ。 「すんません、ごめんなさい」  タケルは目の前の不良に竦みながらも謝罪をした。   「そんなんで許せる訳ねぇーだろぉが!」  不良の男はタケルの胸ぐらを掴みながら鋭い眼光で睨み付ける。 「おぅどうしたんだ?龍二」そう言いながら五~六人の不良が加わった。   「こいつが前方不注意でよぉ、ぶつかりかけたんだわ」  龍二はタケルの胸ぐらを更に上に掴み上げた。 「本当にすんません!」  必死に詫びるタケル。   「そりゃ~ヤッちまわねぇ~といけねぇだろ」  不良グループの一人がニヤつきながら龍二を煽る。    シンジはソラの袖を引っ張った 「アイツら、首藤工業(すどうこうぎょう)の奴らだ、この辺の番だよ」。    ソラは自転車を降り、タケルのもとへ歩いた。 「その辺でいいだろ?俺たちが悪かった。だから今日は見逃してくれ」 ソラは龍二の腕を掴んだ。 「なんだテメェ? 殺すぞ……お前らぁ、コイツ殺していいぞぉ」  龍二の掛け声に不良グループはソラに向かって走って来た。    ソラは深呼吸をしながら、ゆっくりと身構えた。
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