3479人が本棚に入れています
本棚に追加
雨上がりの夕焼けは、その青年に憐れみの視線を送った。
水たまりに映った自分の顔を見て、青年は溜め息をついた。
ボサボサで、目がすっかり隠れるほど伸びた黒髪。
ダサい黒眼鏡。
あまり笑わない顔。
…他人から見たら、根暗なキモオタクである。
好きでこんな格好なんかするもんか。
でもこうするしかなかったんだ。
…他人にこれ以上関わりたくないから。
もうあの日を繰り返したくないから。
青年ーー西城諒輔は、また溜め息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!