第2話 覚醒

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「・・・これは夢?今、私が女の幽霊と戦ってる夢を見てた続きなの?」 今日子がそんなことを考えていると頭の中から、やや甲高い滑らかな声が聞こえてきた。 「夢などではない。全て現実だ。」 今日子は、驚きながらも頭の中で念じるように返事をした。 「現実?人間じゃなくなって幽霊と戦ったりするのが、現実?」 すると再び頭の中に声が聞こえた。 「・・・全て現実だ。これからはお前が戦うんだ。 戦い方は狐の身体が覚えている故、お前の精神力が勝負を決めるだろう。」 今日子が珍しく声を荒げて反論する。 「なぜ私が戦わなくちゃならないの? あなたが戦えば良いじゃない!」 その質問に対しても頭の中の声は実に冷静であり、今日子は圧倒される力強さを感じるような感覚さえ覚えた。 「お前の肉体に我、銀毛狐が宿っているのは知っておろう。 人間と狐が力を合わせた時、強大なる邪の力を滅する力が生まれるのだ。 もっとも、今のような小物にやられる銀毛狐ではないがな。」 今日子は一度言葉を失うも、決心して答えた。 「嫌だって言っても無駄なんでしょう? それが運命なら、やるしかない・・・じゃない?」 思い切りの良い答えに、上機嫌で返事が返ってくる。 「・・・そういうことだ。 我らに日本の平和がかかっているのだ、共に戦おう。 銀毛狐の力を必要とする時には再び姿を現す。」 そう言い残すと、頭の声は聞こえなくなった。 そして、いつの間にか今日子の目線が慣れ親しんだ高さへと戻っていた。 今日子は何かに気が付き慌てて身体に視線をやるが、直後に落ち着きを取り戻した。 今日子は、いつもと変わらぬ制服姿をしていて、制服にはシワ一つなかったのだ。
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