第2話 覚醒

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今日子は、気絶したままの揚子の頭を膝枕に乗せながら考えた。 「今日子には、あの女の人が見えていた・・・。」 琥珀色をした、狐の瞳からでないと今日子には霊が見えない。 それに対して揚子は稲荷神社の事件が起きて以来、霊の姿が見えるようになっていたのである。 それに加えて、狐が口にした言葉に対して困惑する今日子。 「揚子が・・・使い? 揚子は私の大切な友達だよ!巻き込んだりしたくない!!」 漆黒に戻った今日子の瞳からは涙が溢れていた。 今日子の頬の辺りで、その涙を受け止める温かい手があった。 「だいじょうぶ。私はコンコンの味方だから! 巻き込むとか言うなよ~、水臭いっ!!」 突然の言葉に反応して今日子が目線を落とすと、目を覚ました揚子が膝の上で微笑んでいた。 いつもと何ら変わりのないはずだった1日は、こうして終わりを告げた。 「口裂け女」今日子と、「霊能力者」揚子のコンビが誕生した瞬間であった。 ~第2話、終わり~
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