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私は、私の家族はそれでも生き延びようと必至に逃げた。
「母さん、先に――と逃げなさい」
父は母に叫ぶ
このままでは逃げれないことを知っての事だったのだろうが…既に盗賊達は周りを囲んでいたのだ。
「お願いだ。妻と子供だけは」
父が言い終わるのが先か…紅いしぶきが上がり、父は地面に倒れた。
「いゃぁ、あなた――」
私を抱いていた手に力が抜けていく。
母に抱かれていた為、母と一緒に倒れた。
何も分からない私は
呆然と見ているだけだった
、
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