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2009年4月6日深夜11時59分、終点の巌戸台駅。
車内のアナウンスを聞き、2人の少年少女が、電車から静かに降りてくる。お互いに話しかけようともせず、会話は“無し”
改札を通り抜けようとすると、時計が0時を示した。
その瞬間、少年少女が、身に付けていたイヤホンから音楽は途絶え、辺りの電気もすべて消えた。 ―――2人とも微動だにはした。が、それでも会話はない。
少年少女は余りの異様な光景をきょろきょろ見つめると、また前を向いて、駅から出た。
駅から出て、まず最初に目に入ったのは“棺桶”とぎらぎらと辺りを照らす“月”だった。
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