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   「遅かったね」  変声期前の、高めの少年の声が届く。カウンターテーブルに腰掛け、服装は囚人を思わせる白黒ボーダー。  「僕は、長い間君たちを待っていたよ」  ニコリ、と微笑み少年はカウンターテーブルから飛び降りた。カウンターテーブルから何か紙をとり、表情を変えずにこう言った。  「この先に進むなら、これに署名して。…ああ、怖がらなくてもいいよ。一応契約だけど――自分の行動に責任を持つっていう当たり前の内容だから。」  カウンターテーブルまで歩き、ペンをとる。使い古された万年筆のようで、手に馴染みやすい。昔、使ったことがあるかのような懐かしさを少年、少女は感じた。
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