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「私で良ければ全然話し相手になるよ」 「ありがとな」 「…で、絵見せてくれるよね?」 「はぁ~。分かったよ」 「やったぁ」 「そんな期待するようなもんじゃないからな」 「全然いいよ」 「はい、これ」 「………」 「そ、そんなに絶句するほどに下手か?」 「…ちがう。すごい…なんか感動しちゃって」 「それ言い過ぎ!」 「言い過ぎなんかじゃないよー」 ホントに…すごいなぁ 「なんか恥ずかしいな」 「えー将来画家とか目指してるとか?」 「そういうわけじゃないよ」 「にしては…上手い」 「あーもう終わり終わり」 「えーもう少し」 「ダーメだ。早く返せ」 「イーヤーだー」 絶対離さないー! 「い、い、か、げ、ん、に、し、ろ」 「そ、っ、ち、こ、そ」 んににー! 「あーもう!仕方ないな。それまだ続きだからちゃんと後で返せよ?」 勝った! 「はいはーい」 「全く…」 あ、テレビつけた 「スケッチブックこの一冊だけなの?」 「ん?家に描いたやつ置いてあるんだ」 「えー…じゃあこれ何冊目になるの?」 「そんなの数えたときねぇよ」 そんなに描いてるんだ… 「そーなんだ」 そうだ! 「今度そのスケッチブック見せてよ」 「今度って…俺しばらく家に帰る予定とかないぞ?」 「なんとかなるって」 「なんとかって…。なんか楽観的だな」 「良く言われる」 「そーなんだ」 あ、笑った… 「ねぇ…高校どこ行ってるの?」 「…知りたい?」
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