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出会い
言うのが遅れたが俺にも彼女がいる。
ここで少し彼女と俺のちょっとした昔話しをしましょう。
あれはまだ桜が満開の時でした…
ー2006年3月
俺は中学を卒業してすぐに入学金の半分を稼ぐためバイトをしていた。
バイト先は家の近くのガソリンスタンドだ。
初めてのバイト。しかも周りに知り合いはいない。
緊張しながら表に立っていると後ろから肩を叩かれた。
振り返ると人差し指が俺の頬に当たる。
小学校の時に流行った遊びだ。
「あはは~。君単純だね!こんなの最近の小学生でもめったに引っかからないよ。」
「あっ!私は舞。1ヶ月前くらいに入ったんだ!」
そう言って微笑む君に風に乗って舞遊ぶように散りゆく桜がマッチしてとても綺麗に見えたのを覚えている。
(…綺麗だ。)
はっきり言って一目惚れだった。
バイトが終わる時間が一緒だったので職員の休憩所で少し話した。
「修君は何歳なん?」
「自分は15っす。」
「わっかいねぇ!」
「私は何歳に見える?」
「…19?」
「そんなに若かったらいいのになぁ…」
年齢を聞いてビックリした。なんと俺と6歳も離れてるのだ。
しかも子持ちだ。
一目惚れの恋も終わろうとした時だった。
「でも、今旦那いないんだ。」
「出張すか?」
「ううん。離婚したの…」
君は少し悲しい顔をしたね…
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