30人が本棚に入れています
本棚に追加
ー2009年3月
俺は校門の入口にある桜の木の前に立っていた。
3年たった今でも桜の花びらを見るたんびに君を思い出すんだよ?
俺は君に色んな事を教えてもらった。
人を本気で愛する事。
女の子への接し方。
デートのし方やリードのし方。
そして、人に愛されると言うこと…
本当に感謝しているよ。
「修~!なんしよん。早くせな写真撮り終わるぞ~!」
俺が満開の桜を見ながら黄昏ていると後ろから平倉が話しかけてきた。
今日は高校生活最後の日、卒業式だ。
舞が死んでから今日までほとんど思い出がない。
毎日が楽しくなかった…
(次の日からちゃんと前を向こう…)
写真を撮られながら今まで後ろを振り向いた状態で止まっていた自分に言い聞かせる。
卒業式も1つの別れだ。
別れがあるから出会いがある。
出会いがあるから別れがある。
前に進めずその場でうずくまっている人がいても世界が動いて、回っているように…
みんなもこれから色んな人と出会い、別れ、そして傷ついて行くだろう。
だから俺も、みんなと同じように今、何年も動かなかった足をゆっくりと、少しずつ動かす。
無数にある“出会い”という名の旅路に向けて…
最初のコメントを投稿しよう!