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1ヵ月ほどたったある日、俺が目を覚ますと母親が泣いていた。
「どしたん?」
俺が訪ねると、
「何でもないよ。」
涙を拭きながら笑顔で母親は答える。
「隠しても仕方ありませんよお母さん。」
先生がそう言いながら病室に入って来る。
「修さん。率直にいいます…」
「…なんですか?」
少し覚悟を決める。
「実は…末期のガンなんです…」
「しかも体中に転移している…」
母親は泣き崩れる。
俺は何を言っているのか理解するのに時間がかかった。
「俺が…ガン。そっか…」
「お母さん。そんなに泣くなよ。俺は大丈夫やけん。ね?」
「それとさ、今日はずっと1人にさせてよ…」
先生に後からこっそり教えてもらったのだが俺の余命は後数週間らしい。
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