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母親が心配してくれていると知って、少しだけ学校に行く勇気がでた。
3週間ぶりの学校…
ーガラガラー
みんなと一瞬目が合う。みんなの冷たい目線が胸にささるが我慢をして席につく。
「修ってさぁ…」
「マジで~!」
「きもぉい。」
そんなヒソヒソ話しに耐えきれず席を立とうとした瞬間、
「学校やっと来たね。」
「あの高峰が長い間休んじょったけん心配ばしとったんよぉ!」
いきなりの事であ然となる。
声をかけて来たのは大人しい系のグループにいる柔道部の平倉と少しポッチャリとした本城だった。
その他にもサッカー部の奥、少し無口なウノ、お菓子作りが得意な青木も俺の席に近づいてきた。
「サッカー好き?」
「……」
「お菓子食べる?」
(話しかけて…来てる?)
やんちゃをしてた奴にそうじゃ無い奴が楽しそうに話しかけて来てる。
しかも、クラスで孤立してたやつだぞ?
混乱して考え込みながら差し出されたお菓子を口へ運ぶ。
「あ、おいしい…美味いよこれ!本当に君が作ったの?本当は買ってたりしてぇ~。」
「ちっ、違うよ!」
「…ぷっ、あははは~。」
本気になる青木を見て笑いが吹き出してきた。
涙が出るまで笑ってやった。
笑いが止まらなかったのだ。
気がつけばみんなからの目線も気にならなくなっていた。
きっと、そうゆう弱気な気持ちを涙が一緒に外へ出してくれたのだろう。
「これからよろしくね。」
涙を拭きながら言うと5人は、待ってましたというように満面の笑みで声を揃えて言う。
「あったりまえの前美さん!」
「誰なんそれぇ~。」
次はみんなで笑い出す。
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