夢幻

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夢幻は泡沫 闇に消える 均衡とは腐食した日常 紅に崩れ去るモノ 紅は流れる血の色 紅は狂気に踊る刃 紅は自己を映す鏡 狂った自己を映す 紅は意識の奥底に潜む魔の化身の様 紅は全てのモノを破壊して飲み込む 紅い紅い闇の中 抑えきれない衝動 抑えきれない欲求 狂気の微笑が洩れ 自ら紅に染まる 歪みが咲いていく 花の様に狂い咲く 枯れる術を知らず ただただ咲き誇る 深淵を彷彿とさせる歪みが咲き誇る ここにあるモノは平静を装う化け物 精神の奥底に存在する歪み 己の奥底に存在する歪みは 万人の奥底にも存在する闇 闇は揺れて全てを浸食する 全ての人間の奥底に息づき破壊する 正常な感情を破壊して丸飲みにする 紅い月に照らされ 紅い月に誘われて 紅い月の元で踊る ひたすら踊り狂う 狂気が身体を埋め尽くす 真の快楽に支配されゆく それは刹那の時… 空身とは空の自分 空っぽで何一つ持たない自分自身が 指し示された一本の道を歩んでいく 他に選択肢は無かったのだろうか? 本当にこの道しか無いと言うのか? 紅い月の光は崩壊の道を指し示して その道をただひたすらに辿っていく それは愚かなヒトという生物の性か 崩壊への道を辿って 終焉への物語を紡ぐ 他に選ぶ事など出来ないのだから… 終わりを紡ごう 歪んだ花が咲く 狂気が満ちる? それは思い違い 今は悲しみに満ちていく 誰にも理解されない孤独 その渦中で終焉は訪れる  
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