真実の気持ち

3/15
前へ
/80ページ
次へ
「智香っ!!」 慌てて走り出し、目に入った人物はやっぱりあいつで、思わず叫んでしまう。 一斉に俺に集まる視線。 「あっ…なっちゃん。学校早く終わったから迎えに来ちゃった」 ドキッとするような笑みを浮かべて話す智香に、周りの空気が一斉に和む。 「なっちゃん?」 心配そうに人をかき分けて寄ってくる智香にハッとし、慌てて笑顔をつくった。 周りの奴が息をのむのがわかる。 何と言っても俺は「氷のプリンス」なんてあだ名が付けられているらしい。 一部の女子には騒がれているらしいがそんなことはどうでもいい。 俺が見ているのは昔から、他でもない智香だけなのだから。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加