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「智香っ!!」
慌てて走り出し、目に入った人物はやっぱりあいつで、思わず叫んでしまう。
一斉に俺に集まる視線。
「あっ…なっちゃん。学校早く終わったから迎えに来ちゃった」
ドキッとするような笑みを浮かべて話す智香に、周りの空気が一斉に和む。
「なっちゃん?」
心配そうに人をかき分けて寄ってくる智香にハッとし、慌てて笑顔をつくった。
周りの奴が息をのむのがわかる。
何と言っても俺は「氷のプリンス」なんてあだ名が付けられているらしい。
一部の女子には騒がれているらしいがそんなことはどうでもいい。
俺が見ているのは昔から、他でもない智香だけなのだから。
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